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漢字は表意文字ではない!?

写真出典:https://land.toss-online.com/lesson/aaubmqooija26jwf

皆様こんにちは!

ローマ字は音を表す「表音文字」の代表格ですが、では、漢字はなに?えっ、「表意文字」って?

実はそれ、間違いなんですよね。

日本人の多くが誤解し、中国語学習にも影響する「漢字=表意文字」の概念を、今回は少し視点を変えて見てみましょう!

● 女の馬はお母さん?のギモン

漢字は、その初期においては象形文字の流れを汲み、対象となる自然物の形状を模倣して作られました。

山、川、馬など、初期に作られた漢字は数千年を経た今でもその原形が容易に想像できる物がたくさんありますよね。

では、お母さんを意味する「媽(妈)」はどうでしょうか?

「女の馬=お母さん」って、不思議だと思いませんか?

「罵(骂)」にも馬が付いていますが、これって、馬が何か悪口を言うのかな?

意味で見たらやっぱり変!

実は、これらの「馬」には、もう本来の意味はありません。

あくまでも「ma」という文字の発音を表すためだけに、近似音の「馬[mǎ]」が漢字に組み込まれただけなのです。

同じような漢字はそこかしこに見つけることができます。

例えば、「情」にも「精」にも「青」の文字がありますが、色とは関係がなく、「qing」も「jing」も「青」の近似音なのです。
写真の出典:https://land.toss-online.com/lesson/jDAbwufc6WaVyO3gYAqE

● 漢字の9割は音をベースに作られた

日本語には仮名という表音文字が存在するのに対して、中国語では、最近の「拼音」制定までは漢字しかありませんでした。

太古の単純な社会では、象形文字だけでも事足りたでしょうが、社会が発展すれば語彙も増え、言葉は複雑化していきます。

それらの変化に象形文字だけでは対処できなくなった時、漢字は表音文字としての性質を獲得し始めたのです。

表音可能となった漢字は、リアルな言葉=口語も表し始めます。

象形文字の「母」に対して「媽」が作られたのは、子供が最初に発する「ma」が口語でお母さんを指すようになり、それを漢字化した結果が「女の馬」という文字だったのですね。

こうして表音化された漢字が今では9割にも上るのです。

● 大部分の漢字はハイブリッド文字

もちろん、より表音文字に近いアルファベットと比べれば、多くの漢字が表意文字であり続けたのは間違いありません。

しかし、日本のように仮名文字を発明しなかった中国では、漢字は多くの場面で、音を表してきたこともまた事実です。

新しく作られた物や抽象的概念だけでなく、外国の人名や地名、そして近代では科学技術や元素など、漢字はその表音機能をどんどん増大させて来たのです。

意味を表すのと同時に、音も表すフシギな記号、最古のメディアである象形文字の特徴を内包しながら、同時に表音文字としても機能するハイブリッドな設計、かつて時代遅れと言われ、廃止の危機すら経験した漢字は、実は非常に機能的な媒体だったのかも知れませんね。

そういえば初めてガード下で「夜露死苦」の落書きを見た時、ここで夜の雨に濡れた人の辛さを思って胸が詰まりました。

こんなハイブリッド表現ができる漢字ってやっぱり凄いね!

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