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8.132023
北京人の発音が良くなってきた!?
皆様こんにちは!
北京人の発音がきれいになって来た!
と聞いたら、大抵の人は、はっ???って思いますよね。
北京人が発音きれいで当たり前じゃないか!
北京語が標準語なんだから…って、違うんです、それが。
今日は、中国語学習者の多くが勘違いし、中国人自身もちんぷんかんぷんな「北京語=標準語」説を叩きのめしてやりましょう!
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◆🏰◆北京語は聞き取りにくい!◆🏰◆
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北京はご存知中国の首都です。
古くからの住民はいわゆる「北京話」を話します。
首都で話されている言葉だから、これが標準なんだろう、と、外国人が思うのも無理はないことです。
しかし、北京周辺地域の住民は異口同音に「北京語は聞き取りにくい」と言います。
なぜなら、独特の舌巻き音と不鮮明な語気で話すからです。
「舌を巻く」というよりも「舌を下ろさない」といえるほど、北京人は舌を巻きまくります。
その聞きにくさたるや、当の北京人もよく聞き間違えるほどです。
でも、北京人は気にしません!当たり前だったからです。
また、かつての中国社会は今よりずっと大らかでした。
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◆🏰◆北京を離れて気付く、北京語は…◆🏰◆
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しかし、中国での人の移動が歴史上ないほど多くなり、他の土地で学業や仕事に滞在する北京人も増えました。
そして、多くの北京人は気付き始めたのです。
「北京語は標準語じゃないかも…」と。
もちろん、とっくの昔に気付いていた北京人もいますが、今ほどその認識が普遍化した時代はなかったでしょう。
かつて「北京語が標準語だと思っているのは北京人だけ」と揶揄された時代はもう過ぎ去ったわけですね。
でも、日本ではいまだに北京語は標準語だと思われているようで、街中では「北京語を教えます」なんて看板も見かけます。
ちょっと待って、皆さんもニューヨークで「東京弁教えます」なんて看板を見たらびっくりしませんか?
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◆🏰◆「北京語」には異なったニュアンスがある◆🏰◆
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確かに中国人も「北京語」と言います。
北京に近い地域では「訛りのある方言」という認識ですが、南方の中国人にとってはちょっと違った意識が働きます。
中国では標準語を指して「🔗普通話」と呼びますが、これはあえて「標準」という言葉を避けたと考えられます。
なぜ避けたか?それは、余りにも多様な言語の中で、一つの言語だけを標準としてしまうと摩擦が生まれるからです。
特に中国南方は古くから文化や経済が栄えていたため、自分たちの方こそ標準だ、と思う意識が強く、北京語=標準語とされることには抵抗が大きかったはずです。
それで、北方とは違う自分たちの言語の独自性を意識して、北方言語の総称として「北京語」と呼んできたのです。
それが日本では北京語=標準語に変わってしまったのは、東京一極集中の意識が強かったからかも知れませんね。
現在の中国では、教育環境やメディアの発達で、北京に限らず、中国各地で発音の標準化が進んでいます。
北京人だけ発音がキレイになったのではないのですね。