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自己学習の最良のパートナー
目次
1.ほとんどの人が「自己学習」をしている
2.実はほとんどの人が知らない「自己学習のコツ」
3.よく行われている間違った自己学習
4.間違った自己学習のイメージはどこから?
5.見逃されてきた「音声識別能力」の重要性
6.「音声識別能力」とは何か?
7.幼児の音声識別能力
8.言語によって音声識別能力の重要性は異なる
9.リスニングワールド誕生の理由
1.ほとんどの人が「自己学習」をしている
皆さんは「自己学習」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか?
独学のようにすべて自分一人で学習をすることは、もちろん自己学習の一つだと言えます。
他にはどうでしょうか?例えば、教室に通いながら、家でも勉強をしている人はいませんか?予習や復習、或いは先生から出された宿題をやっていることもあることでしょう。または、授業とは別に、自分で参考書を読んだり、はたまた練習のためにドラマや映画を観ている人もいるのではないでしょうか?
これらはすべて「自己学習」なのです。実は、ほとんどの人が何らかの自己学習をしているのですが、でも、ちょっと待って下さい。その「自己学習」は本当に役に立っていますか?
2. 実はほとんどの人が知らない「自己学習のコツ」
多くの人が行っているこの「自己学習」ですが、実は、ほとんどの人がそのコツを知らないまま続けています。
もちろん、「自己」学習なので、「自分の好きなようにやる」というのも悪くはありません。それをやめなさいともいいません。ただ、もっと効果的な方法があるとしたら気にはなりませんか?「自己学習」がただの「自己満足」だけで終ってしまうとしたら、もったいないですよね。
事実、ほとんどの人は楽しいだけでよいと思ってるわけではない。「効果がある」と思って続けているはずです。それなのに、「コツ」を正しく知らないのは大変残念なことです。
3. よく行われている間違った自己学習
中国語学習者の皆さん、或いは中国語は初心者でも、英語などの学習を経験した皆さんには、こんな「自己学習」の経験はありませんか?
・ノートにひたすら書き写す
・単語帳をひたすら丸暗記
・外国語文の日本語訳、またはその逆
・文法構造の日本語対訳暗記(~~なら○○の意味になるみたいな)
・文法書のかじり読み、斜め読み、飛ばし読み、果ては眠り読み
・CDやビデオの掛け流し…..等々。
どうでしょうか?テスト前に一夜漬けしたの光景が悪夢のようにフラッシュバックした方もいるかも知れません。
私たちは学校の英語教育を通じて、いつの間にか「自己学習とはこうやるものだ」、という固定観念を植え付けられてしまっています。
では、上に挙げたこれらの方法は、まったく効果がないのでしょうか?そんなことはありません。どれも何らかの効果はあるのですが、その効果は非常に限定的で、しかも実用性に乏しいのです。
4. 間違った自己学習のイメージはどこから?
えっ?学校の英語教育からじゃないの?と思った方も多いでしょう。では、なぜ学校の英語教育はそのような学習を要求するのでしょうか?
それは「テスト」で優劣を分ける必要があるからです。学校教育では、善かれ悪かれ必ずテストで成績を付けなければなりません。その際に、生徒の知識量を素早く見分けて選別できるのがテストです。これはやむを得ないことでもありますが、同時に「テストのための勉強」を生徒に要求してしまうことにもなるでしょう。
知識が主幹を成す科目ではそれでも一定の実用性はあるでしょうが、こと外国語となると、そうも行きません。それは言語というものが「知識がある=使える」というわけではないからです。言語には、知識と同程度重要なもう一つの要素、「音声識別能力」が不可欠なのです。これを鍛えないまま知識だけを増やしても、「テストは受かるが話せない」ことになるばかりです。
5. 見逃されてきた「音声識別能力」の重要性
私たちが経験してきた学校教育とは、様々な側面はあるにせよ、一言で言えば「知識を増やす教育」となるでしょう。こういった教育は母国語で行われるため、知識を増やすことがそのままレベルアップの大きな要素となります。この視点に立てば、上で挙げたような学習方法は決して間違ってはいません。しかし、言語のもう一つの絶対要素である「音声識別」という視点に立てば、「知識の蓄積=レベルアップ」とはなりません。言語には知識以外に「音声識別」の為のトレーニングが不可欠なのです。
6.「音声識別能力」とは何か?
音声識別能力に関して、言語学の世界的権威である米のパトリシア・クール博士の研究が大変有名で、かつてNHKの特集番組でも取り上げられました。「音声識別能力」を非常に単純化して言えば、「ある音声をそのまま認識する能力」のことです。
実は、私たちは音声を聞き取るときに、原音をそのまま認識しているのではなく、私たちが聞き取りやすい母語の音に「翻訳」して聞いています。ですから、標準的な日本人には、ガラスの割れる音は「ガシャーン」に聞こえますし、机を叩く音は「コンコン」に聞こえます。これと同じように、外国語の音声も自分の母国語の音声に聞こえてしまうのです。残念なことではありますが、これは私たちが自分の基本言語となる母国語を学んでいく過程で、避けられない道なのです。
希に非常に優れた音声識別能力を持つ人がいますが、標準的な人は、母国語の音声以上の音声を聞き取ることは非常に困難なのです。なぜなら、私たちの脳は母国語の音声で理解できない音声を瞬時に「雑音」と見なして無視するようになっているからです。
7.幼児の驚異的な音声識別能力
では、ここで幼児の音声識別能力はどうなのかを見てみましょう。まだ母国語が確立する前の時です。驚くできことに、幼児は地球上の全ての言語が持つ音声の違いを正確に識別することが可能なのです。これもパトリシア・クール博士の大変有名な実験で確かめられています。
しかし、残念なことに、これらの「スーパー音声識別能力」は言語の形成と共に急激に失われ、15歳前後でほぼ成人と同じ程度になります。これが、よく言われる「子供は言葉の習得が早い」の大きな要因です。
では、今これを読んでいる中国語学習者の皆さんはどうでしょうか?恐らくほとんどが成人だと思いますので、幼児のように「スーパー音声識別能力」はもはや期待できないでしょう。では、成人になったらもう外国語を習得できないのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。しっかり習得できます。しかし、それには科学的な方法が必要なのです。これは例えるなら、落ちた運動能力を回復させるリハビリのようなもので、根性があるからとか、必死で頑張ったからとかで結果が出るものではありません。科学的な理論に基づいた方法が必要なのです。
8.言語によって音声識別能力の重要性は異なる
ここでもう一点重要な事があります。言語の形成に音声識別能力が不可欠ですが、その重要性は言語の種類によって異なるということです。例えば、日本語は大変複雑な文法体系をしていますが、発音に関して言えば、「超」が付くほど簡単です。ですから、日本語を勉強する外国人にとって、少なくとも発音という観点から見れば、日本語は「簡単」な言語になります。しかし、中国語はほぼその逆です。文法はそれほど大したことはありませんが、発音は「超」が付くほど難しいため、中国語を習う人にとって、特に発音が単純な日本語話者からすれば、中国語の発音は正に目の前にそびえる断崖絶壁のように感じることでしょう。でもここで悲観する必要はありません。原因を正しく認識できれば、解決の方法も見えてくるのです。
9.リスニングワールド誕生の理由
実用中国語学院が大きな労力を掛けて「リスニングワールド」を開発した理由は、正にここにあります。当学院は約30年の歴史の中で多くの学習者をお手伝いして来ました。そのなかで多くの方に共通した課題として、「音声識別能力」を引き上げることに心血を注いで参りました。しかし、同時に、授業だけでは解決しにくい課題にも直面してきました。それは、授業時間が十分ではない学習者が多いということです。週1回か2回の授業が多い中で、当学院はより効果的な「自己学習」を積極的に勧めて来ました。そして、そのための大変有効なツールとして、「リスニングワールド」を発展させて来たのです。
「リスニングワールド」はただ単に多くのリスニングコンテンツを収めた面白いメディアであるだけはなく、「音声識別能力」を有効的に鍛えるために様々な工夫が施された理想的な教材なのです。